2014年8月31日日曜日

"Drop The Roof" Out Of My Hair


引っ越しでCDの整理をしていると、何年も聴いていない物が出てきて懐かしい思いをすることがよくある。で、そんな中で意外な掘り出し物というか、今の感覚で聴いても素晴らしい作品というのがあって、こんないい曲だったっけ?みたいな驚きがあったりもする。今日は、そんな1枚。

Out Of My Hair の音楽をひとことで言えば、後期ビートルズ直系の音楽、特に歌い方などジョンレノンをかなり意識している。僕はELOをはじめとしてビートルズ系の音楽が大好きで、当時、その辺の音楽を聴きまくっていたわけだが、ELOより後の世代のこの手の音楽では、このアルバムが最高なんじゃないかと思う。なんと言ってもメロディーが良い。実はこのアルバム、10年以上聴いていなかったのだが(音楽自体聴いていなかった時期があるので)、ほとんど全曲メロディーを口ずさめるぐらいに覚えていた。

最近調べたところによると、この人、音楽雑誌等でさんざん持ち上げられた後、あっという間に消えていってしまったらしいが、もったいない話である。

2013年3月14日木曜日

The Great 1974 Mining Disaster/Barclay James Harvest

最近、プログレをよく聴いている。プログレというと難解な音楽というイメージが強かったのだが、あるサイトのおかげで後期ビートルズやフォーク・ロック系に近い物も結構このジャンルに含まれていることを知り、その辺の曲を聴きまくっている。
で、発見したのがこのBarclay James Harvestというバンド。BEEGEESの1stあたりの好きな人なら全曲気に入るんじゃないかという美しいメロディーを持った音楽なのだが、驚いたことに「ニューヨーク炭鉱の悲劇」のパロディーソングとおもわれる曲を発表している。
The Great 1974 Mining Disaster
メロディーはあまり似ていないのだが、歌詞は
Have you seen my life, mr. groan?
Do you know what it's like to be outside?

という具合で、ニューヨーク炭鉱からの引用が含まれている。

このバンド、他にもMody Bluesの「サテンの夜」のパロディーソングがあったり、フォーリーブスの「踊り子」の元ネタがあったり(こちらを参照)で、なかなか楽しませてくれる。

2012年2月22日水曜日

"The First Cut Is The Deepest" P.P.Arnord

1967年イギリスのヒット曲。60年代の女性歌手の曲で一番好きなのがこの曲。たぶんMOVEの”BlackberryWay”と同じくNHKFMの「ブリティッシュロックの歴史」で知った曲だと思う。BEEGEESの"To Love Somebody"と同様、極上の美しいメロディーを持つR&Bだ。特に出だしのオルゴールのようなメロディーが大好きだ。
で、ベスト盤を買ってみたところ、"To Love Somebody"が収録されていた。よくよく調べてみると、BEEGEESとはかなり深いつながりを持つ人のようで、"Bury Me Down By The River/Give a Hand,Take a Hand"のカップリングシングルまで出している。"Give a Hand,Take a Hand"は前にも記したように、後にBEEGEESの傑作アルバム"Mr.Natural"でセルフカバーされている。

この曲は1977年にロッド・スチュワートにカバーされ全米NO1ヒットになっているが、実を言うとP.P.Arnord 盤とロッド・スチュワート盤が同一曲であることに、つい最近まで気づかなかった。ロッド・スチュワート盤を先に聴いていたのだが、順番が逆だったら簡単に気づいていたのかもしれない。

2011年12月29日木曜日

Mr.Natural BEE GEES

さて、次は僕の一番好きなアルバム”Mr.Natural”である。
BEE GEES史上最も売れなかったアルバムだが、僕はこれが彼らの最高傑作だと思っている。
このアルバムのすべてが好きだ。ジャケットのおじさんもいいし・・・何から書こうか迷うところだが、一番好きな曲はタイトル曲の”Mr.Natural”。軽快でちょっととぼけた味のカントリータッチのR&B。出だしのロビンのボーカルも絶妙だ。他にも1969年にP.P.Arnordのために”Bury Me Down By The River”とともに書かれた”Give a Hand,Take a Hand”や、バリーお得意の黒っぽいボーカルが聴ける”Lost in Your Love”など、全体的にR&B的な雰囲気に満たされたアルバムだ。
さらに、このアルバムの特徴はR&Bだけではない。カーペンターズみたいなキーボードが美しい”Throw a Penny”や、ロビンの声が美しく真夜中の片田舎の教会が浮かんでくるような”Voices”、そして極めつけは途中から意外な展開をしていく”Dogs”・・・などなど、名曲が目白押しである。
普通の状況であればプラチナ・ディスクを記録してもおかしくない名作。これが全く売れなかった事には納得のいかないものを感じる。と言っても僕も当時このアルバムを知らなかったわけだが・・・

Trafalgar BEE GEES

昨日、今日と暇があるので、一気に行ってしまおう。
次はTrafalgar。
69年、Odessaの後、ロビン脱退により一時的に分裂状態に追い込まれたBEEGEESだが、70年にロビンが戻り再スタート。71年にリリースされたのがこのTrafalgar。僕の一番好きなBEEGEESはFirstからOdessaまでと74~75年のアリフマーディン時代の2時期なので、このアルバムはそれからははみ出しているのだが、例外的に好きなアルバム。
この時期のBEEGEESはサウンドがおとなしすぎて物足りない感じの曲が多いのだが、このアルバムは一見おとなしく見えて良く聴いてみると一味違う。
世間一般ではTrafalgarは大ヒット曲「傷心の日々」を含むアルバムという説明がなされているが、その捕らえ方だけはしないほうが良い。このアルバムを理解したければまず2曲目の”Israel”を聴くのがいいと思う。バリーのボーカルが凄い!100%R&Bシンガーと化している。が、バックには優雅なストリングスが流れ続けている。このコンビネーションがすばらしい。”Don't Wanna Live Inside Myself”にも同様のことがいえる。バリーのR&B趣味全開のアルバムである。
ロビンが高音の限界に挑戦している?”Lion In Winter”も別の意味でR&Bっぽい曲といえる。
全体的にはこの時期らしいおとなしめのサウンドなのでちょっと気づきにくいかもしれないが、後の”Mr.Natural”につながるR&B路線が見え隠れする興味深いアルバムである。

2011年12月28日水曜日

Odessa BEE GEES

続いてはOdessa。BEE GEESの最高傑作という人も多いアルバム。彼らの中では珍しい2枚組トータルアルバムだが、彼ら自身も言うようにトータルアルバムといえるかどうかは難しいところである。
が、どちらにせよ傑作という点は変わりない。当時ビートルズの「サージェント・ペパーズ」が世界に衝撃を与えた結果、様々なバンドがそのアンサーアルバムのような物を出していたが、Odessaも制作動機的にはある意味その種のアルバムと言えるかもしれない。が、彼らの凄いところはビートルズの物真似ではなく、むしろビートルズとは対極のサウンドでアンサーしているという点である。つまりビートルズが特殊効果などを駆使しながら音を重ねることでひとつの世界を構築していったのに対して、ビージーズはあくまでアコースティックな手法で世界を構築しながら、様々な実験を試みている。
このアルバムにはポピュラーミュージックのスタンダードといってもいい名曲「若葉の頃」や「小さな恋のメロディ」でおなじみの「メロディーフェア」が収録されているが、それ以外にも壮大なタイトルナンバー「オデッサ」やカントリーロック調の「Marley Part Drive」、ラストのジャズっぽい感じがいい「Sound Of Love」やロビン調バラード「Lamplight」など様々なタイプの曲がはいっていて飽きさせない。
このアルバムの凄いところは、広い音楽性を感じさせながら統一感もあるという点。全体的に優雅な感じに満ち溢れている。ロックっぽい曲でも間奏に弦楽器や管楽器の印象的なフレーズが必ずはいっていて、彼ららしさを感じさせる。

Idea BEE GEES


最近あまりビージーズについて書いていなかったので、ニューヨーク炭鉱通信じゃなくなってしまうと困るので、そろそろビージーズの好きなアルバムとか好きな曲について書いていこうかなと思う。
Firstについては前に書いたので、年代順に好きなアルバムを紹介していこう。
まずはひとつおいて3rdアルバムのIdeaから。これ実を言うと最初に聴いたときはあまりぴんとこなかった。出だしがあまりにも地味だったから。1stのようなきらびやかなものを期待していたので・・・

ただ、後ろのほうにいい曲が並んでいるなという印象はあった。出だしに派手な曲を置くという世の中の常識にあまりにも慣れすぎていたために、彼らのこの感覚が理解できなかった。でもこれがビージーズなんだろうと思う。
まあ、今でも後ろの方の曲が好きなことに変わりはないのだが・・・特に好きな曲は「つばめ飛ぶ頃」。美しいメロディーにのせてバリーが黒っぽいボーカルを聴かせてくれるというたまにしか出てこない?彼らの最強パターンの曲。もちろんロビンの代表曲「ジョーク」も素晴らしいし、ボサノバ調の「キルバーンタワーズ」や、ロビンのバックコーラスが加橋かつみを思い出させる(笑)「スワンソング」など名曲がずっと続く。
僕が買った電球盤には「獄中の手紙」がはいっていなかったが、アルバムの統一感から言うと、こちらが正統盤と言えそうだ。